2011年11月27日日曜日

シュガーバッター法

最近作るお菓子が冷菓、シフォンケーキ、クッキーばっかりになってます。
ケーキの生地もたまには作らないと、コツを忘れそう…と思い、
前回ののチャリティお菓子はマフィンにしました。

が、写真がない。

写真がないといかにもさみしいエントリになってしまうので、
今日は珍しくイラストでお菓子の作り方の解説でもしてみようかと思います。


今回紹介するのは、「シュガーバッター法」。
シュガーバッター法とは、バターケーキを作るときなどによく使う材料の混ぜ方です。
クッキーを作るときにも使うことがあります。

シュガーバッター法の特徴は、バターに空気をたくさん含ませることでうまれる、
「いや~ん、しっとりなのにふんわり~」な食感です。
(同じ分量の材料を使っても、混ぜる方法や順番によって味が違ってくるのです)



「はじめてのお菓子作り♪」的なタイトルの本にも平気で載ってる作り方なんだけど、
気にするべきポイントを押さえておかないと、意外と失敗します。
本には「これをこうしないとダメな理由は~」とか書いてないし
独学でケーキ作りをはじめて失敗したり成功したりを繰り返している人は、ポイントを押さえきれていない可能性もあるかも!
ということで、ちょっと詳しめに解説します♪





まずざっくり説明します。

1.バターと卵を室温に戻しておく

2.バターをハンドミキサー(もしくは泡だて器)でホイップさせ、砂糖を入れてしっかりふんわり混ぜる。

3.卵を3回にわけて入れながら、そのつど分離しないように混ぜる

4.粉類を加え、ゴムベラで切り混ぜする。



こんな感じの作り方なんですが、細かく解説しますね。

まず、バターを室温に戻すこと。
これ、当たり前のことすぎるからかあんまり強調して書いてある本をみかけませんが、
すごく大切なことです!

やわやわ~なバターになっているからこそ、ハンドミキサーをあてたときに空気をどんどん含ませてふんわりするのです。

中途半端な硬さのを無理やりやろうとすると・・・ハンドミキサーの羽に詰まって、
と~ってもめんどくさいです。

お菓子の作り方を習う前、子供の頃はそこでまず失敗してた気がします。
バターを最初にふんわりさせておかないと、食感が悪くなります。

ちなみに、「室温」って平然と書いてますが、
冬でキッチンが5℃しかない!ってときに、バターも5℃でいいわけじゃないので注意!
20℃くらいのことを通常さしてます。
バターって温度によって性質が全然違うんですよね。
「室温に戻したバター」っていうのは、指を入れるとぶすっと突き刺さるくらいかなぁ。
急ぐ場合は200Wの電子レンジで様子を見ながら温める方法もあります。
でも、一度溶けたバターは再び固まっても性質が違ってしまうので、
溶かさないようにくれぐれも注意してください!


あとね、ちゃんと20℃くらいに温まってても、
寒いキッチンだとすぐに冷えちゃいますので…
あんまり寒い日は、キッチンを暖かくして作ってくださいね。



 卵が室温に戻ってるのも大事なことですよ。
卵とバターの温度が違いすぎると、分離の原因になります。
「私は思い立ったらすぐ作りたいの!」という人は、バターと同様ですが、
溶いた卵を電子レンジの200Wで様子を見ながら慎重にあたためてください。
やりすぎると固まっちゃうから気をつけて。
固まらない程度のぬるま湯に殻ごと浸けておくっていう手もあります。



で、室温に戻したバターを、ハンドミキサーの低速で軽くほぐす感じにします。
滑らかな感じになったら、砂糖を全量入れます。

で、さらにホイップ。
ふわふわぁ~を大事にする作り方なので、
しっかり砂糖とまざって白っぽくふんわりするまでお願いします。

そしたらば~、卵を混ぜていくのですが、一気に混ぜると確実に分離します!
しっかりと混ざり合うことなく、もろもろ~な見た目になるので、
分離したら見た瞬間わかります。
味も悪くなります。

分離しないコツは、上にも書きましたが卵が冷たすぎないこと、
そして、だいたい1/3量ずつ入れていくことです。
1/3入れて、しっかり混ざったらまた1/3入れて…ってしていくのね。

しっかり混ぜきるのも大事ですが、調子に乗ってずっと混ぜてると再び分離してくるので、
「混ざった!」って思ったらやめること。

あと、「バターとお砂糖はカロリー高いから、減らしちゃえ~」なんて
勝手に減らしすぎないことね!

バターと砂糖が少なければ、どんなにうまく混ぜたところで卵と完全にはまざりません。
なぜかっていうと、「きれいに混ざってる」というのは、
乳化という現象が起こっているということだからです。
乳化って中学校の理科あたりで習いましたね♪)


ちょっと横道に逸れましたが、もとにもどります。

分離しないように卵を混ぜていきますが、もし途中で分離しかかってしまったら、
少しだけ分量の中の小麦粉を混ぜてあげましょう。
変な水分みたいの吸ってごまかしてくれるから。
卵を混ぜきったときに分離してしまったら、どうせその後粉を混ぜるので
同じかなと思いますが。



で、粉をふるい入れます。

ふるったのを入れるんじゃなくて、あくまでもふるい入れることが大事かと思います。
ちなみに、粉類が2種類以上のときは、入れる前に一度ふるっておきます。
「ふるう回数は粉の種類+1回」と習いましたが、
そこまでふるう必要があるかは正直わかりません。
MAX3回くらいでいいんじゃないかなと思います。

私がたまにやっているのは、複数種類の粉を混ぜるとき、
粉をボウルに入れて泡だて器でぐるぐるすることです。
最後にふるいいれるのは固まった粉をほぐして空気を含ませるためにどうしても必要です。
でも粉類を混ぜること自体はそれで十分な気がします。



粉をふるい入れたら、ゴムベラでさっくり混ぜます。
この「さっくり混ぜる」も、かつては全然わからなくて、
失敗の原因になってた気がします。

私がそこらへんのお菓子教室で習った「さっくり混ぜる」の方法をお教えしますね♪


今日は要らんくらい懇切丁寧に解説しようと思ったので、まずはゴムベラの持ち方から。




こんな向きで持ってください。

そして、ボウルにゴムベラを、入れます!
ボウルの中を時計にたとえると、12時から6時の方向に向かって
生地を切るつもりでゴムベラをすっと入れます。


そしたら、手首を返しながら9時の方向にゴムベラを向かわせ、
生地をひっくり返すようにします




最初ボウルの中に大きくアルファベットのIを書いた感じだとすると、
それを今度はJになるようにする感じ。
Jの「ハネ」の部分は、ボウルの底にあった生地が返されて出てきます。

これで切り混ぜの1セット終わり。



次に、ボウルを時計回りに少し(90°くらい)回して、同じ作業を繰り返します。
終わったらまた時計回り。
このようにしていくことで、すべての場所がまんべんなく同じくらいの頻度で
ゴムベラに当たります。

適当にやってると、混ざっていないところがあったり
部分的に触りすぎて粘りがでてきてしまいます。
上の方ばかり混ざって底に重たい生地が残ってしまったりもします。

ここは機械的に「回してJ~回してJ~」ってやっていきましょう。
そして、粉っぽさがなくなったところで終了です。

混ぜすぎないのが大切です!


あとは焼くだけ♪


2011年11月14日月曜日

10月の手作りお菓子

おひさしぶりの更新です。
先月は、祖母の葬儀やらなんやらで、ばたばたして終わってしまいました。

そんな中でもチャリティお菓子販売は細々とながらなんとかできていて、振り返るとほっとします。

祖父母の中で、母方の祖母が一番好きでした。
小さいころ、毎日のように祖母の家に行っていました。
忙しかった両親の代わりにたくさんかわいがってくれました。
毎年夏にはワンピースを作ってくれました。母のと同じ布地を使って、違うデザインで。
豆鯵のから揚げ、コロッケ、お正月の昆布巻き、祖母より上手に作れる人を知りません。
祖母のおかげで母は料理が得意です。
祖母のおかげで、「やっぱりおうちの味が一番だよね」って思える今があります。

日本が今ほど豊かでなかった時代に、パン屋さんから酵母をもらって炬燵で発酵させて肉まんを作った話、
アルミのお弁当箱でコンロの火でカステラを焼いた話、
うどんは茹でて食べるのが当たり前だった時代にケチャップ味の焼うどんを作った話。
尊敬します。
そんな祖母が天国で自慢できるように、みんなに喜んでもらえるお菓子が作りたいです。
そして家族のためのご飯を作り続けたいです。




さて…
バター不足だわ、時間はないわで完全に趣味でしかない「ナイジェラのお菓子作り」ができていませんので、
チャリティお菓子の写真と一部レシピをアップします。



先月のハロウィンにちなんでかぼちゃのクッキー、
マクロビの人参ケーキ、そして9月に行った沖縄旅行の影響でちんすこうです。


かぼちゃのクッキーの袋に押してあるのは消しゴムはんこです。
単純な絵柄ながら、意外と好評で、毎年使ってます。

人参ケーキは、おいしいし人気もあります。
でもマクロビならではの材料でけっこう材料費がかさんでしまうんだよなぁ。
チャリティで廉価で作るのがちょっと難しくて、課題です。

ちんすこうは、これはけっこうおいしいと自分では思うのだけど、ルックスが地味すぎて売れ行きはイマイチ。
今度売るときは沖縄柄のはんこでも押してみようかな。


他のイベント時に作ったのは、白きくらげと梨の豆乳プリンです。


下の段はふつうに豆乳プリン。
豆乳に素精糖というあんまり精製してないお砂糖を使い、豆乳独特のにおいを弱めるために
バニラエクストラクトを入れてます。
そして最近お気に入りのアガーで固めてます。
(参考のため、豆乳 70%、水20%、アガー2%、砂糖9%+バニラエクストラクトくらいの比です)

上の部分はちょっといいレシピだと我ながら思うので()書いておきます。


白きくらげと梨のソース
材料
白きくらげ 4g
梨 1/2
さとう 20g
水 500g
板ゼラチン7g(季節により)
リンゴジュース
バニラエクストラクト

作り方
1.白きくらげを20分程度水に戻し、いしづきを取り、水を替えながら振り洗いし、小さく切る。
(ここでちゃんと洗っておかないと、乾物くさくてお菓子にはふさわしくない…)

2.水にきくらげを入れて30分くらい煮る。
3.砂糖を入れ、溶けたら梨を細かく切ったのを入れ、しばらく煮る。
4.シロップを漉す。梨の水分や火加減でシロップの量がかなり変わってくると思うので。
5.リンゴジュースを足して350㏄くらいになるようにして沸騰させ、もどした板ゼラチンを溶かす。
6.具材を戻してバットに広げて冷やす。
7.完全に冷えたら(けっこうゆるいです)フォークで崩しながら豆乳プリンの上に載せていく。

この分量で、カップのゼリーの上部分が8個分できました。
上にぬるま湯で戻したクコの実をあしらうと、薬膳らしいデザートになります。

空気が乾燥してくるこの時期、梨はおすすめです。
白きくらげも美肌の味方。

ごちそうさまでした!